ボスキャラが泣いている

テレビゲームにおけるボスキャラ。それは、哀しき存在。主人公に倒されるための壁として、適度の強さと適度な弱点を持ち、一人静かに待ちぼうけ。そこで今回は、そんな哀しいボスキャラの生態を確かめるべく、Kさん(仮名)に密着取材した。

AM8:00
主人公のMがスタート地点に立つ。Kさんは最後の城で監視モニター越しに眺めている。
AM8:01
Mがいきなり死ぬ。脱力するKさん。
AM8:04
Mさん最初のステージクリア。まずはほっと息をつくKさん。
AM8:07
Mさん二つめのステージクリア。「あれ。あいつワープしらんのかいな。全クリなんてできんのか?」Kさんが不安げにつぶやく。
AM8:09
Mさん三つめのステージクリア。Kさんは無言でモニターを見ている。
AM8:12
Mさん足を滑らせて転落。死亡。Kさん思わず眉をひそめる。
AM8:14
Mさんまたしても死亡。Kさんの分身の前になすすべなし。「こりゃあわしの出番ないかもなあ」
AM8:18
Mさんステージクリア。Kさん「やれやれ」とつぶやいてPさんに話しかける。「ちょっと厳しいかもしれないですね」とPさん。
AM8:25
Mさんその後順調。Kさん、ちょっとだけ期待の目。
AM8:40
Mさん、裏技の無限1upを始める。「お、こいつ本気やな。ええ根性しとるで」ニンマリとしながらつぶやくKさん。
AM9:00
まだ無限1up。「まだやっとんのかい」
AM9:30
まだやってる。
AM9:45
「たかしーごはんだからゲーム切ってきなさい!」「はーい。わかったよ」Kさん慌てる「ちょ、っちょおま、その無限1uブチッ!」