条件を挙げるとすれば、

「例えば、アタシとアンタがセックスするとするよ?」
「は?」
急に始まった彼女の話は唐突で、突拍子も無く、妙だった。
「だから、セックス。するとするじゃない?」
俺は黙って、と言うよりも何も返せずにそこに居た。
セックスと言う単語を躊躇無く吐ける女も少ないと思うし、
其れを態々話題にする女も多くないと思う。
「アタシはアンタを特別愛してる訳でも無いけれど、かと言って嫌いでもない。
好きだから、セックスくらい出来る。そう思ってるの」
「......で?」
「アンタは、アタシの事好き?」
そう問われて、まさか嫌いだなんて言えない。
相手は可愛い可愛い女友達。
それこそ、幼い小学時代から中学にかけて本気で惚れもした。
「まあ、好きだね」
「じゃあ、する?」
目的語は無いけれど、話の流れからしてみれば解り易すぎる言葉。
流石に俺も驚いた。
「...マジ?」
「マジ」